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国立文楽劇場で落語祭

2025/8/29

大阪文化芸術事業実行委員会主催の「大阪落語祭」を国立文楽劇場で鑑賞しました。
登場した5人の落語家は、それぞれの持ち味を存分に発揮し、後に出てくるほど
会場の笑いと熱気が増していく構成でした。

 

特に印象に残ったのは三席です。まず、笑福亭鶴光師匠の「試し酒」では、
5升の酒を飲み干す場面の演技に圧倒されました。実際に酔っているかのような仕草と
語り口で、観客全員が思わず引き込まれ、笑いと感嘆が同時に起こりました。

 

続いて、柳家喬太郎師匠の「品川心中」。お客さんからの掛け声に即興で
応じる姿はまさに芸の真髄であり、その瞬発力とユーモアに場内が大きな拍手に包まれました。
伝統芸能でありながら、観客との距離を一気に縮める喬太郎師匠の力量を改めて実感しました。

 

そして大トリを務めたのは、月亭方正師匠の「井戸の茶碗」。彼の持ち味である
表情豊かな演技と巧みな間合いが冴えわたり、登場人物の心情が手に取るように伝わってきました。

今回の落語会は、笑いだけでなく、人情や芸の奥深さを味わうことができる素晴らしい時間でした。
まさに大阪の文化の底力を感じさせる舞台であり、今後もこうした落語祭が続いていくことを願ってやみません。