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国立文楽劇場「大阪落語祭」を観て

2026/9/21

先日、国立文楽劇場で開催された「大阪落語祭」を聴きに行った。
三人の落語家が特に印象に残り、落語の面白さを改めて感じた一日だった。

 

最初は、桂米團治師匠の「七段目」。米團治師匠は、桂米朝師匠の長男で、
桂小米朝から「米團治」を襲名した落語家である。
「七段目」は、芝居好きで芝居の真似ばかりしている若旦那が主人公の噺で、
歌舞伎を題材にしている。この噺では、落語の中に歌舞伎の動きが取り入れられており、米團治師匠のアクションがとても印象に残った。話術だけでなく、身体の動きによって
登場人物や場面を表現するところに、落語ならではの魅力を感じた。

 

続いて、三遊亭わん丈師匠の「お見立て」。わん丈師匠は大津市出身の
江戸落語家である。吉原を舞台に、客の杢兵衛を相手に、なんとかその場を
取り繕おうとする噺である。
関西出身の落語家が江戸落語を演じるという、そのギャップも面白い。
噺そのものの面白さに加え、わん丈師匠の個性も感じられた。

 

最後は、月亭方正師匠の「笠碁」。碁が大好きな二人の隠居が、些細なこと
から喧嘩をして絶交してしまう。しかし、しばらくすると二人とも碁が
打ちたくなり、結局は仲直りするという人情噺である。
大きな事件が起こるわけではないが、人間の意地や寂しさ、
そして「やっぱり仲直りしたい」という気持ちがじんわりと伝わってくる。
特に方正師匠の「間」がよく、二人の気持ちの変化が自然に伝わってきた。

 

今回の「大阪落語祭」では、歌舞伎を取り入れた「七段目」、
江戸落語の「お見立て」、人情噺の「笠碁」と、三者三様の落語を楽しむことができた。
同じ落語でも、演じる人によって雰囲気や味わいが大きく変わる。
生の高座だからこそ感じられる空気や間、そして観客と一緒につくり上げる
笑いの魅力も印象に残った。
また機会があれば、ぜひ国立文楽劇場へ落語を聴きに行きたい。