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外国人土地取得について

2026/2/21

最近、登記簿を確認していると、所有者が外国人名義となっている土地を目に
する機会が増えてきました。
現在の日本では、外国人による不動産取得そのものを直接制限する法律はありません
土地や建物の所有権は国籍に関係なく取得でき、売買の流れや登記手続きも
日本人と基本的に同様です。

 

一方で、安全保障上重要な地域については、取得後の利用状況を把握する制度が
設けられています。たとえば、自衛隊基地や原子力発電所の周辺、国境離島などを
対象とする「重要土地等調査法」に基づく調査制度です。これは外国人であること自体を
理由に所有を制限するものではなく、あくまで安全保障上の観点から利用状況を
確認するための仕組みです。

 

近年は、外国人政策全般の見直しに関する議論も活発になっています。与党内では、
外国人の土地取得のあり方や在留制度の運用などを含めた検討が進められており、
将来的に制度の運用強化や法改正が行われる可能性も指摘されています。
また、登記情報に所有者の国籍を記載することを義務付ける法改正案も検討対象となっています。

しかし、私たち土地家屋調査士の立場から申し上げたいのは、制度論以前に
「実務上の課題」があるという点です。

 

土地の境界確定や分筆・合筆の手続きでは、隣接地の所有者に立会いをお願い
することが不可欠です。ところが、登記簿上の住所に郵送しても届かない、
海外在住で連絡先が分からない、管理会社も不明――こうしたケースに直面することがあります。
所有者が外国人であるかどうかに関係なく、「連絡が取れない」という状態が、
現場の実務を最も難しくしています。

 

境界は一度確定すれば長く地域の安心につながるものです。
だからこそ、登記簿上の住所変更を適切に行うこと、国内に連絡窓口を設けることなど、
最低限の連絡体制を整えていただくことが重要だと感じています。

土地は個人の財産であると同時に、地域社会の一部でもあります。
所有の自由と地域の円滑な実務、その両立をどう図るのか。今後の制度設計の中で、
現場の声も丁寧に拾い上げていただけることを期待しています。

土地家屋調査士として、日々の業務を通じて感じる率直な思いです。