「コレクト・ザ・マップ(地図を正せ)」
2026/9/10
大きなテーマですね。
2026年9月4日、国連総会において、メルカトル図法がアフリカや南米などの
低緯度地域を実際より小さく見せ、認識のゆがみを招いているとして、
面積を正しく表すイコールアース図法などの利用を促す決議が採択されました。
ただし、「メルカトル図法をやめて、イコールアース図法に変更する」という
決議ではありません。法的拘束力もなく、メルカトル図法を
禁止するものでもありません。
1569年にゲラルドゥス・メルカトルが考案したこの図法は、
航海に便利なように、方向や角度を正確に表すことを優先しました。
その代わり、赤道から離れるほど面積が大きく見えるという特徴があります。
一方、2018年に考案されたイコールアース図法は、
地域の相対的な面積を正しく表す「正積図法」です。
つまり、
メルカトル
→ 方向・角度を重視
→ 面積が犠牲
イコールアース
→ 面積を重視
→ 形や角度などが犠牲
という違いです。
今回の国連決議は、「メルカトルは悪い。イコールアースが正しい」
という話ではありません。
むしろ、「何を知りたいのかによって、使う地図を変えよう」
という考え方です。
航海ならメルカトル、面積比較ならイコールアースなどの正積図法など、
目的に応じて適した図法があります。
つまり、「正しい世界地図は一枚ではない」のです。
そして面白いのが、私たちの「世界の大きさの感覚」です。
学校やテレビ、Webなどでメルカトル系の地図を見る機会が多いため、
「グリーンランドはものすごく大きい」という印象を持ちやすい。
しかし実際には、 アフリカ >>> グリーンランドです。
今回のニュースは単なる「地図の描き方」の話ではなく、
「私たちは、何を正しいと思って世界を見ているのか?」
という問題にもつながります。
「間違った地図から正しい地図へ」ではなく、「目的に応じて、適切な地図を選ぶ時代へ」。
そして覚えておきたいのは、
「地図は現実そのものではなく、現実をどう切り取って見るかの方法である」
ということです。
